The Japanese Association for Humanistic Psychology

ワークショップ06

ナラティヴアプローチによる実践研究

講師:森岡正芳

 

臨床場面が多様化し、心理臨床のアプローチも多彩を極めている現在、個人の体験世界に即して、現場で生きた体験を掘り起す視点としてナラティヴ(物語・語り)が注目されている。
ナラティヴは、外界の出来事を受け入れ意味づける心の働きを基盤とする言葉の活動である。
このワークショップでは、ナラティヴアプローチの基本的な考え方と方法、手順について、具体的な資料をもとに、実習を交えながら進める。
個人が生きていることの文脈を切り離さずに、病や障害、心理発達的問題をとらえ、それによって社会・文化の持つ潜在的治癒力を活かす。
障害や病を抱えつつ生きる当事者の現実を記述し、他者と共有できる形にする。
このような実践研究が可能である。
その意味で人間性心理学において、なじみやすいアプローチである。
この視点をもとに現場での固定したとらえを少し動かしてみよう。
人の生の深さに入ってみよう。

参考文献

森岡正芳『臨床ナラティヴアプローチ』(ミネルヴァ書房2015)
森岡正芳『物語としての面接』(新曜社2017新装版)

講師紹介

立命館大学総合心理学部教授 博士(教育学) 臨床心理士。
トラウマのケアや心身相関、病と障害、文化と癒し、霊性といった課題に、ナラティヴ(物語;語り)、ドラマ、対話という視点から取り組んできた。
理論や方法が一見異なる心理療法の各学派に共通する要因を探求している。

著書

『物語としての面接』(新曜社2017新装版) 
『臨床ナラティヴアプローチ』(ミネルヴァ書房2015編著)
『語りと騙りの間』(ナカニシヤ出版2009共編著)
『うつし 臨床の詩学』(みすず書房 2005)ほか。

定員30名
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